技術者と呼ばれる人たちの専門性はそれぞれが持つ資格によって表すことができます。
例えば建築や土木の世界では1級建築士や1級施工管理士などがそれで、どの仕事のどの分野をどの程度任すことができるのかがわかります。
ITエンジニアの仕事もまた、さまざまな分野に分かれていますが、それぞれの専門性を図る基準としての資格があります。

その1つが「情報処理技術者試験」で、個人が持つITに関する幅広い知識や能力を総合的に測る国内最大級の国家試験です。
この試験には年間57万人もの応募者があり、幅広い方に利用されています。
創設は1969年と意外にも古く、既に200万人の合格者を生み出しています。この試験は、IT人材の客観的な評価尺度として、個人にとっては学習やスキルアップの目標、また、企業や学校にとっては採用や教育の目安となっています。
入門編から高度で専門的なレベルまで4段階のレベルと、120の試験区分を設けていて、段階的にスキルアップを図ることのできる体系が組まれています。

入門編のレベル1では職業人に共通で求められる基礎知識として「ITパスポート試験」が行われます。
レベル2では基本的知識と技術として「基本情報技術者試験」が、レベル3では応用的な知識・技術として「応用情報技術者試験」が行われ、レベル4になると高度な知識と技術が問われることとなり、高度試験として「ITストラテジスト試験」「システムアーキテクト試験」「プロジェクトマネージャー試験」「ネットワークスペシャリスト試験」「データベーススペシャリスト試験」「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」「情報セキュリティスペシャリスト試験」「ITサービスマネージャー試験」「システム監督技術者試験」といった9つの試験があります。

IT技術は資格よりも経験という風潮がありますが、ITにおけるさまざまな犯罪が横行している現在、こうしたことから社会を守る担い手という意識で、これらの資格を手にすることも考えてはいかがでしょうか。

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